アキバのパーツ街から、プログラミングの楽しさを子供たちへ「IchigoJam」

「プログラミング」という言葉を聞いて、難しいパソコンを駆使した世界を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、手のひらサイズの小さな基板、実はこれだけでプログラミングの基礎「BASIC」を体感でき、また自分でゲームやロボットを作れると知ったら、イメージが変わりませんか?

その名も「IchigoJam(イチゴジャム)」。美味しそうな名前には、子供でも手に届く、15$(イチゴ)程度で買えるように、という開発者の強い思いが組み込まれています。

IchigoJam

開発者の株式会社jig.jp代表取締役 福野泰介さん。小学校3年生の時に、親から買ってもらった「MSX」というパソコンでプログラミングを覚えたそう。なかなかゲームソフトを買ってもらえず、それならば自分で作るしかない、と本屋で見つけたプログラム雑誌を片手に、プログラムを入力していき、プログラムのイロハを習得。小学校6年生の夏休みには、様々な画像を立体視できる3D画像に変換するプログラムを自由研究として発表するまでに。

IchigoJam

福井高専を卒業後も自分が作りたいプログラムをずっと書き続け、2003年には株式会社jig.jpを設立、自社で面白いと企画したプロジェクトのみ展開し続けています。IchigoJamも当初は福野さんの個人活動から始まったプロジェクト。パソコンを持っていない、スマホゲームしかしたことがない若者が多い中、どうしたらプログラムの面白さを分かってもらえるかという考えから生まれました。秋葉原の老舗電子パーツ屋・秋月電子通商さんで、格安で実現するチップを発見し、思いついてからわずか3ヶ月、すべて手作りで販売開始。現在までに1万2000個を販売。子供から昔プログラミングをかじってた大人まで、幅広い方々に支持を受けているアキバの逸品です。「秋月電子通商さんに子供2人がIchigoJam求めて買いに来た、という話を聞いて本当に嬉しかったです」と福野さん。

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「IchigoJam プリント基板ハーフキットU(税込1,890円)」の中身はこれだけ。通常の「IchigoJamプリント基板キット U(税込1,620円)」とは違い、途中までは制作されているので、あとは簡単なハンダ付けで自分だけの「BASICパソコン」が作れてしまいます。

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市販のキーボードとテレビに接続してスイッチ入れたら、すぐに起動。シンプルな構成。

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「LED1」という四文字を打ち込むと…。

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基板上のLEDランプが光ります! 地味ですが、自分の命令で動くというのが新鮮。

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「LED0」と打ち込むと、ランプが消灯。「WAIT 60」と打ち込むと、60フレーム(=1秒間)何もしない。…ということは「LED1 : WAIT 60 : LED0 : WAIT60」を繰り返すと、1秒おきにピカピカ点滅する!
「このエルチカ(LEDがチカチカする)こそがプログラムの基本であり、すべてだ」と福野さん。すべてのゲームはこの電気のオンオフと「何もしない=間合い」で作られているのだとか。

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「それじゃ、ゲーム作ってみましょうか!」と軽やかにキーボードを叩きます。

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画面をクリアして、敵の位置を決めて、表示。右ボタンを押したら座標(位置)が一つ増えて右に表示、左ボタンを押したら座標が一つ減って左に表示。少し間合いを取って、もし敵と主人公の位置が同じだったら(つまりぶつかったら)時間を表示してプログラム終了。ぶつからなければ、最初の「敵の位置を決めて…」から繰り返し。
たったこれだけのプログラムで…。

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敵マーク(*)が下から上にランダムに迫ってくる中、人型の主人公を右左に動かして避けて行くゲームが完成! ただ敵の動きが早くてすぐゲームオーバー。そこで、間合い(WAIT)の数字を大きくすると…。敵がゆっくり動きます。ここで「間合い」とはつまり、「ゲームの難易度」なんだ、と気付かされます。
「敵や主人公を表示する・しない(オンオフ)と難易度(間合い)、自分で打ち込んだゲームを介して、子供達はすぐにプログラミングの肝を理解してくれます。」と福野さん。

子供たちが作ったプログラム!(プログラミング クラブ ネットワーク(PCN)より)

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「クリスマスツリー」

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「クラッカー」

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「ブロック崩し」

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「あ、音も鳴らしたいですよね? 付属の部品袋にある黒いスピーカを出して、ニッパーで切ってもらえます?」

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言われるがままに、スピーカを取り出し、その足を切ります。

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「ではこの穴の部分に足を広げて、差し込んでください」言われるがままに、差し込む。「これだけです」の言葉に唖然。

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「BEEP」と打ち込むと、「ビーッ」となります! 数字を入れれば「音程」と「鳴る時間」が変わるし、「PLAY」の後に「CDE…」と音階を入れると、なんとチューリップの歌が流れてきました!

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「イチゴジャムにはパンケーキですよね」…と別売の基板「PanCake」(税込1,620円)

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PanCakeを先ほどスピーカをつなげた穴に合わせてドッキング。すると…

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「カラー表示ができるようになります!」
スピーカやPanCakeをくっつけることで、さらなる進化を遂げるIchigoJam。ブロックのような感覚で次々機能を追加できるので、沸き立つアイデアがどんどん実現できます。

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LEDランプを並べて、光り方を指示するプログラムを入力すれば、鮮やかなグラデーションが映える光のオブジェに。

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LEDランプと100円ショップで買ってきた鏡をくっつけ、奥の方まで光り輝く不思議なライトが完成。「あなたの想像力で、どんなものも作れます」と福野さん。

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今回取材をしたのは、アキバの旧秋葉原ラジオストアー内でIchigoJamの販売や工作教室を行っている「Assemblage」。ここではIchigoJam関連の商品がたくさん揃っています。

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専用のクリアケース(税込1,080円から)は洒落が効いています!

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はんだ付け済み完成品のIchigoJam U本体はもちろん、リファレンスや折り曲げられるキーボードなど、すべてが詰まった「IchigoJam Get Started Set U」は5,378円(税込)

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ゲームソフトのプログラムはガチャガチャでも販売(税込100円)。小学生が作ったゲームもラインナップされているとのこと。

IchigoJam公式サイト:http://ichigojam.net/
取材協力:Assemblage
Assemblage公式サイト:http://assemblage.tokyo/

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